舟状骨骨折
舟状骨(舟状骨)とは手首の中にある骨で、船底のような湾曲した形をしていることからその名前が付けられています。転倒して地面を手についた際に受傷することが多く、スポーツによる受傷がその半数近くを占めています。
受傷時は手首の親指側が腫れ、痛みがありますが、数日すると軽減するので骨折と気付かずに放置され、骨折した骨がつかず、関節のように動く偽関節になりやすいのが特徴です。
偽関節になると、手首の関節の変形が進行し、手首に痛みが生じて力が入らなくなったり、動きにくくなってしまいます。
《保存療法》
診断がつけば手首から親指にかけてギプスで固定します。舟状骨は骨が癒合しにくく、治りにくい骨折の1つで固定の期間が2~3ヶ月と長期に及ぶことが多いです。
《手術療法》
骨折部のずれが少ない場合は、特殊なネジ(DTJscrew)を使って骨折部を固定します。
手術は部分麻酔で行われ10~30分程度と短時間なものです。
ただし、骨が癒合しないまま長期間放置され偽関節状態の場合は、骨の細胞が壊死してしまうため、全身麻酔下で骨を削って移植をしなければならなくなります。
そのような状態にならないように早期に発見し治療をすることが重要です。