手の外科症状【ドケルバン病】

ドケルバン病


ドゲルバン病は腱鞘炎の一種で、手首から親指につながる2つの腱(短母指伸筋腱と長母指外転筋腱)や、その腱を覆うトンネルのような腱鞘に炎症が起きている状態です。
親指や手首を曲げたり、伸ばしたりすると痛みが出ます。特に親指を内側に入れて握りこぶしを作り、手首を小指側に曲げたときに強い痛みが出るのが特徴です。

パソコンの操作やピアノなどの楽器の演奏、スマホゲームをやりすぎる方などに多くみられます。また、妊娠中や出産後、更年期の女性はホルモンバランスの乱れによりドゲルバン病になりやすいと言われています。

初めは軽い痛みでも、親指を使わずに生活することは難しいため、腱鞘が肥厚したり腱の表面が傷んだりし、一層症状が強くなり、日常生活にも支障が出てきます。

治療方法

《保存療法》

症状が軽度であれば、消炎鎮痛薬の湿布薬や塗り薬、エクオール含有食品(サプリメント)などで様子を見ます。また、包帯やサポーターなどで母指の動きを制限し安静を保つことも有効です。
それでも症状が改善しない時や中等症以上の場合は、患部の腱鞘内に炎症を抑えるためのステロイド薬を注射します。1度の注射で症状が抑えられる場合も多く、そのまま治る事もあります。

《手術療法》

保存療法で改善しない場合や、何度も症状を繰り返す場合は手術療法を検討します。
手術では、手首の皮膚を小切開し腱鞘を切離し、腱を開放します(腱鞘を切り開いても、手の動きには影響しません)。
所要時間は10~30分程度と短時間で1泊程度の入院で行うことが可能です。
腱鞘はしばらくすると再生しますが、再発するケースは少ないことがわかっています。

Category: 手外科症状別.